2016.03.08
一億総活躍社会 若者もお年寄りも働く そこから見たアニメゲーム漫画業界の役割とは
働け働けと煽ってくる政府
記事をお読みいただきありがとうございます。2015年10月に誕生した第三次安倍政権による指針の一つが本日話題に挙げている1億総活躍です。これはどういうものかという言いますと、若者も高齢者も、女性も男性も、障害や難病のある方々も、一度失敗した経験ある方の誰もが社会で活躍出来るようにしていくという政府の取り組みです。こう言いますと、なんか良い話だなと思うかもしれませんが、この指針はアベノミクスという経済の政策にくっ付いていること、消費の底上げ、投資の拡大が促されるような取り組みの一つであると政府の発言があるように本音は国のために一生懸命死ぬまで働いて下さい、という話です。
本日はこの話をテーマにアニメゲーム漫画業界と絡めて我々の生活に密接に関わる政治の話をお届けしたいと思います。これを読んで作品作りが捗るといったことはないですが、国の中で生きる1人の人として重要なことだと思いますので今回の記事でその辺りを復習していただければと思います。
老人も若者も死ぬまで働きましょう
アベノミクスというのは経済に対する政策の一つであることは連日の報道やメディアから流れている情報からご存知の方は多いと思います。そのアベノミクスに付随して展開されている1億総活躍時代という言葉は誰もが死ぬまで働く世界を実現し、死ぬまで搾り取ってやろうという魂胆が見えてしまいます。今までは年配の方達に支えて貰っていた側の人間が社会に出ていくことでお金を稼ぎ、それを国に納めるという流れで成り立っていたが、その制度では上手くいかなくなりその為に放った新しい矢ですが、死ぬまで働かせよう、という発想は少し行き過ぎている様に思えます。
活躍が経済のことに結びつく理由はアベノミクスに付随しているという理由以外にもあります。「名目 GDP600 兆円」の実現に向けて、誰もが活躍できる社会をつくるため、という前置きなどを始めとした言葉の端々に経済の視点が置かれた言葉で語られている点です。出生や妊娠、介護といった問題を経済という言葉の所にも経済視点で語られています。早い話が経済を回すために「沢山子供を増やせ!」です。これはおかしいですよね。出生や妊娠、介護といった問題は経済という尺度だけではなく、一つの生命が誕生するという経済という問題とは一つかけ離れた所にある問題です。経済=お金と言い換えても良いと思いますが、命の話をお金を結び付ける部分は少しやり過ぎな様に感じます。働いてくれたら政府がお金を徴収出来る、その人間は1人でも多い方が良い、そういう風な事を言っている様に感じられませんでしょうか。
幸福度指数が46位
世界のランキングには幅広いジャンルの物がありますが、その中に幸福度指数というランキングがあります。国民1人あたりのGDP、健康寿命、社会的支援、生き方の自由度、気前よさ、腐敗認識度の各指標から算出された数値を順位化したモノです。(興味がある方はこちらから見てみて下さい。)世界の中で日本の順位は2015年時点で46位となっています。読書の方にも共感頂けると思いますが、世界に比べて日本は食料には困りませんし、住む所にも困りません、自分のやり方次第ではいくらでも楽しめる国です。何が言いたいかというと、突然ミサイルが落ちて来て死んだり、マシンガンを持った人が出てきて突然撃ち殺されたりということはまず起きません。世界には生きることすら困難な国も存在します。上位にいる国はそことは無縁な所で、下位にいる国がそこに程近いと言えます。日本が位置する46位が上位とは到底思えません。
もう一つ別のデータに世界の自殺率の国際比較というデータがあります。こちらを見て分かる様に自殺率はTOP10入りを果たしてしまっています。原因が一概には言えませんが、幸福ではないと感じて自殺に追い込まれている人がいる中で働け働けと煽ることは政府の施策として本当に得策なのでしょうか。
参考データ:
幸福度ランキング<158カ国>(2015年度版)
自殺率の国際比較(2012年度版)
他人を喜ばすという思いで
他人を喜ばしたいという思いでやるからこそ仕事は成立しますし、アニメゲーム漫画業界に勤めている方は自分の作品をユーザーさんがプレイした時、クライアントへ納品した時に喜んで貰えます。それを強制して他人に働けということは奴隷を作っていることと意味は変わらず、いやいや作られた作品を触れた人は言語では表現し難いですが、何となく嫌な感じが伝わってしまうと思います。そして、そんな作品は評価されにくいでしょう。その様な作品は誰にも喜ばれませんし、消滅していきます。
解決策は業界が発展すること
政府が掲げているGDP600兆円という目標はいやいや働くことを選ばされた人間を無理矢理生産性を挙げて到達出来ないのではと思います。だからこそ、出生や妊娠、少子化という問題を取り上げ人数を増やし1人当たりの価値を上げる方向ではなく頭数を揃えてとにかく生産者に回って貰うという策も出てきたのだと思います。
しかし、我々は人間です。ロボットならそれで良いでしょうが、強制されて動くのは少々違いますす。ではどうした良いのか。国民自らが自分の意思で働くことを選択し、他人に価値を出すことを喜びとする社会にすることだと思います。人間楽しいことをやっている時というのは手を縛られてでも何とかやろうとしてしまうくらいのポテンシャルを秘めています。アニメゲーム漫画業界のクリエイターさんはそのやりたいという意欲が強い傾向があるなと私は感じています。だからこそ、その傾向が後世まで語り継がれ作品を通してアニメゲーム漫画業界を目指す方が後を絶たないですし、これからもそうした背中を見せていくのはアニメゲーム漫画業界に勤めている人たちの役割だと思います。ラクジョブではそうしたクリエイターさん達により良い職場や環境を提供していくことをモットーに今日も運営致します。こうした小さな動きが日本全体を変える大きなキッカケに、現場仕事だと政治の話とは無縁かも知れないですが、この記事で何か掴んでいただけたのでしたら幸いです。
最後まで記事を読んでくださりありがとうございました。