2016.04.24
世界と日本 電子部品 4年ぶり受注減 イノベーションなき資本主義は滅びる アニメゲーム漫画求人 ラクジョブ
資本家と労働者、パブリッシャーとディベロッパー
私たちがよく目にする国内企業が実は外資に51%以上保有されていたという事は珍しくなくなってきました。任天堂、ソニーなどのゲームメーカーだけに限らず、元々は日本発としてスタートした企業が外資系になっていたというケースはよくあります。こちらの画像にちらっと写っている東芝も大株主を調べると銀行と外国人投資家の割合が大きく占めていますし、先日鴻海の子会社になることが決まったシャープも元を辿れば国内産業です。
日本にあるすべての企業という訳ではありませんが、ここの所頻繁に海外勢に日本の会社は買われて行っている印象はあります。私たちが生きるシステムは資本主義という勝つか負けるかの世界です。経済本では倒産や失業がない資本主義は資本主義と呼べないと書かれていますし、イノベーションがなき資本主義は滅びるとも書かれています。滅びるという表現よりも倒産や失業の方が分かりやすいかもしれません。いずれにしても市場をドン!っと賑わす様な何かをしない限りはその運命を辿ることになります。そうした視点を踏まえると外資系に次々参入されていく状況は非常に厳しいと言わざるをえません。
日経新聞トップが書かれていることが
この画像は4月24日の日経新聞トップ一面です。私はこのニュースを読んだ時に悪寒がしました。このニュースは電子部品の仕事量が減り、その大きな原因の一つにiPhone販売不振があげられております。iPhone自体はアメリカのシリコンバレーに拠を構えるApple社の製品ですが、中に使われているパーツの殆どはアジア圏や日本などで作られる部品の一つ一つで構成されています。記事の中にも液晶パネルやタッチパネルを多く供給する日東電工などと書かれています。
最終的に各国から持ち寄られたパーツを組み合わし、Apple社という名義で販売します。僅か10万円で購入でき、手のひらにスポッと収まる小さなデバイスへ関わっている会社は複数ありますが、1番偉いのはAppleです。偉いというのは逆らえないというイメージです。ここまで来ると資本主義というのは絶対君主制という考え方に近いと感じませんか。この「絶対君主制」については私自身も勘違いしていましたので説明を踏まえて書いていきます。絶対君主というのは読んで字の如く絶対的に君と主が存在しているという考え方です。この時の主は神様を指し、もう一つ絶対は何をやっても許され、それが絶対(正解)であるという意味です。焼くなり煮るなりして下さいということは何をやっても許されるという部分に当たります。そして、それが絶対です。つまり、反発する考え方が出てきた場合は神に対して不純な気持ちが出てきた訳ですから自分を戒める事になります。神から権利を預かり運用している人ということは余程偉い人ですから逆らえもしませんし、反発するという考え方すらも間違っていると解釈します。絶対という意味はそうしたことが含まれています。
求められるイノベーション
経済学の古典を著した人にシュンペーターという方がいます。シュンペーターはイノベーションなき資本主義は滅びると言いました。ですから、常に市場へイノベーションを与え、新しい市場を作り出していく必要があります。アメリカにはシリコンバレーという場所が存在し、これから起業を考えている若者たちが頭を突き合わせディスカッションしているそうです。Appleの本社はシリコンバレーなこともそうしたことが影響している様です。
他にもシリコンバレーに拠を構える会社はエレクトロニックアーツ、フェイスブック、Google、Yahoo!、ヒューレットパッカードなど他にも私たちが耳にしたことあるIT系企業の多くはシリコンバレーと根深い関係があります。なぜシリコンバレーに多くのIT系が集まるのか、その秘密は環境にありました。ちなみに、ガンホーを作り上げた孫泰造氏もシリコンバレーの出身です。このシリコンバレーではスタートアップの際の支援やみんなで話し合うという場の充実が他とは比較になりません。
アメリカ政府からコンピューター分野において1番予算を貰っているカーネギーメロン大学やスティーブジョブスがスピーチをしたり、数々の政府高官を国の中枢へ送り込んできたスタンフォード大学という学校があったり、私たち日本人でも耳にしたことのある有名企業があります。さらに、拍車をかける様に自分のアイディアをアウトプットしぶつけ合う場があることはシリコンバレーを特別な存在としている大きな理由でしょう。質と量はどちらが欠けても成立しません。質だけ上げようとしても、量が伴っていないと結局は質は低いまま量だけ積み重ねることになります。
ただし、量が無いと絶対に質は上がることはありません。例えば一流バッターのフォームを身につけたとしても、打席に立って打てなくては意味がありません。質と量は両方必要とされます。頭を付き合わせる場と表現しましたが、アイディアをぶつけ合う場として大量のアウトプットを繰り返し、質を強制的に上げていく環境はビジネスへと繋げる上で最高の環境でしょう。1人で悩んでいるだけしたら机上の空論で終わり論理的にも弱く実戦にも向きませんが、そのことをカバーする環境と呼べるでしょう。冒頭でイノベーションが必要とお伝えしましたが、正しくシリコンバレーはイノベーションをするためのアイディアを身に付ける最高の環境です。資本主義は倒産と失業は前提です。しかし、そこに新たなイノベーションが生み出されることによって新しい市場が生まれ、雇用と働く場が生まれます。ですから、イノベーションを起こせる人間こそが資本主義を制すると呼べる訳です。
外資の餌は日本人
TPP条約は海外から外資を受け入れる最も最適な手段で霞ヶ関と永田町はこのことを知ってか知らずか署名をしました。あとは国会で承認されればTPPは本格的にスタートします。その時にアニメゲーム漫画業界はどうなるのでしょうか。現在、国内市場で展開されているコンテンツの多くはアメリカ含む海外のコンテンツです。それでも日本のモノとして存在感を残しているモノとすれば漫画くらいでしょう。漫画は日本古来から存在し、現存する資料として平安時代頃からあったことが確認されています。歴史の長い方が有利という話しではなくこの歴史を覆す文化を欧州圏は形成されておりませんので、漫画で抜かれることはないと思います。危険なのはアニメとゲームだと考えています。
TPPが入ってくるから危険なのではなくイノベーションが無い状態で惰性で生み出された作品が乱発する姿は滅びる方向を辿ってしまっていることです。現にアメリカはCG映画を20年前、10年前と比べた時に桁違い迫力で大きな進化を感じさせますが、未だに日本は…という作品は決して少なくありません。ゲームはソーシャルゲーム、3DSやPsvitaなどで市場を盛り上げておりますが、PS4などのハイエンド系ゲームは海外勢に軍配が上がっています。私は個人的にサッカーゲームといえばウイイレという頭で生きていましたが、エレクトロニックアーツから出ているFIFAをやった途端に考えが変わりました。国内ゲームは頑張ってはいるから応援したいのに楽しくないので買う気が起きません。この例の様な体験をされている方は私だけではないと思います。
そして原因はイノベーションがないことです。シュンペーターが言う通り、このままいくと国内市場は滅びます。良くも悪くも国内でゲームを出した場合はそこそこ売れます。会社を動かしていくにはお金が必要ですから新しい作品を生み、販売してお金を稼ぐ必要があります。イノベーションが起きた場合は新しい市場は生まれますがない場合は惰性です。そこまで大きく考えなくても私たちが最も身近に手にしている物はどこ製だろうか?を考えて貰えればしっくり来ると思います。私はiPadで記事を書いていますし、PCで見ている方もMacやWindows、違う方もandroidやiPhoneでしょう。全て日本製品ではありません。イノベーションを起こした人が市場を生み出し、雇用を発生させる、そのまんまですよね。労働者は搾取される者という表現をされておりますが、プラットフォームを取られている以上資本家だと思い込んでいるだけで社長や大株主も労働者です。
スーパーマリオやファミコン、ドラクエ、ファイナルファンタジーという世界に影響を与えるクリエイターさん達の恩恵を受けながら私たちは一歩踏み出す必要があると感じています。中のパーツは日本製ですし、労働を与えられていることは有り難いですが、本当の意味で国民全体が資本家になりイノベーションを生み出していく世界の方が貧困も差別も発生せず平和な世界だと思います。西洋カルチャーで生きてきた人、東洋カルチャーで生きてきた人も同じ人間です。差はイノベーションを起こせる側かそうでないかの差です。ほんの少しの差で人生が分かれています。惰性で生きて待っているのは部品として生きる世界です。私たちはイノベーションを起こせるのに起こしていないのなら凄く損ではないでしょうか。それぞれがイノベーションを生み出し、新たな雇用を創出するそんな世界を目指して書きました。70億人でイノベーションを起こし新たな世界を創っていくそうした手助けになれば嬉しいです。