2016.03.29

週間少年〇〇は刷るほど赤字?アニメ ゲーム 漫画専門求人サイトが考えるマンガ電子化の未来

Man with red umbrella in a paperboat in the rough sea印刷して売れて赤字

ラクジョブ事務局の桜井です。記事をお読みいただきありがとうございます。今回は、書籍電子化、いかにして漫画を電子に移していくのかを書いていきます。ある出版社の重役が仰っていた話ですが「印刷して漫画にした場合売れてトントン、それでも赤です」と大きな声でハッキリと仰ってました。「えっ!」と驚きを隠せませんでしたが、無料で流布されていたり、電子化の波に乗り切れず四苦八苦しているのを見ると事実を語っていることは様子からもハッキリと感じました。前々からこのことは危惧していました。ただ、中々お伝えする機会に恵まれずでしたが、ラクジョブ新聞ならお届けしても良いだろうということで私なりの解決策を入れて書きました。

漫画自体は平安時代くらいから存在し、1900年代には今の様な週刊〇〇の原形は出来上がっていたという事実を知りますます漫画というコンテンツを残すために何かできることをやらなくては、そんな思いにも駆られています。日本独自の文化と言いますと大袈裟ですが、漫画というコンテンツは我々にとって、娯楽として欠かせない存在として今後も生き残っていくべきだなと感じ筆をとった次第です。漫画業界が今後も確かな地位として生き残るためのお手伝いになれば嬉しいです。

taihennajoukyou赤字に拍車を掛ける海賊版

海賊版というのはいつの時代もありました。そこは昔も今も一緒です。ただ、現在とインターネット出始めの頃と比べると被害額は明らかに増えています。出版業界の方なら「ウンウン」となるのではないでしょうか。インターネットが私たちの生活で当たり前になったのは2000年代でしたが、この頃はまだ回線もADSLなど大容量の通信には不向きだったためそこまで大きな被害を見せていませんでした。

現在は速くなる一方ですから、速度が早い家庭では以前よりも100倍近くの数値を叩き出している筈です。そのため、距離は光の速さでどこまでも行けます。野を越え、山を越えて、最近では海を越え国を越えてその国にある物を見られる様な仕組みが出来上がっているのが現在です。ですから、このインターネットに対応した策を打っていくのはキモの部分だと思います。

kaizoku中国に限っていえば、年間で5600億円の被害

ここで出てくるのはお隣中国です。経産省のページに行きますと2014年に海賊版対策を大きく打って出てきます、と書かれています。そこに、文化庁が平成24年度に行った調査では中国主要都市(北京、上海、広州、重慶)におけるアニメ漫画は年間約5600億円、平成25年度にアメリカを対象に行った調査では、2兆円と推計されると書かれています。とんでもない話ですよね。漫画家さん、編集、担当、各スタッフが一丸となった作品が海賊版として流布されて大損失が出ているというのはどうにかしたい、という本音ですが手をこまねいているというのも出版社さんに伺った際に出てくる実情です。私はここで出来る解決策は海賊版が目に入らないコンテンツまで持っていくか、海賊版を撲滅するかが妥当だと思います。

海賊版撲滅は国が手掛けているからそちらに委ねるとして、もう一方の漫画(アニメ含む)を海賊版が目に入らない状態まで持っていくについて次の所から書いていきます。

image完全電子に移行した場合、コストは激減

完全電子に移行させる場合について触れていきたいと思います。こちらは集英社Wikipediaの売上情報です。73期を見て頂くと、売上高約1233億円、営業利益約29億円となっております。売上高に比べると明らかに営業利益が少ないです。私は集英社さんではないですからあくまで想定ですが、コストに印刷代や広告費などが莫大に掛かっているためだと思われます。

ジャンプの発行部数は2015年1〜12月を対象に調べた所、3ヶ月で約230万冊となっていますので、2015年を通して発行された部数は920万冊です。1冊255円ですから利益などを考えると制作コスト1冊100円だと仮定しましょう。単純計算ですが、100×920万を出版しようとした場合=9億2000万円のコストが掛かります。ジャンプはトントン(黒字)でなんとかなっているみたいですので、しっかり売れ黒字を保っているのでしょうが、他の出版社さんは刷ればする程赤字になっていくと仰っていたのでそういうことなんだと思います。

image0の極み

今回お伝えしたいのはこれを電子化しましょう、という話です。紙の本は紙として文化や思いなどが含まれていますのでそれを残して完全電子に移行させる案です。人件費やPDFにするためのスキャン費用、サーバー代、諸々入れても1冊に掛かる費用は上がりますが、掛かるのは初めだけです。売れる程、コストは下がっていく計算が成り立ちます。カラクリはマイクロソフトのWindowsと一緒です。原型を作って刊行していく仕組みです。ただ、最初の移行期は大変ですから読者に馴染んでもらう必要があります。

そこで私が提案したいのは、紙verを購入してくれた人に限り、1円で電子版が買えますという仕組みです。勿論、買う動機が弱いですので、電子版にはオリジナルストーリーを載せ独自コンテンツという花を持たせます。これを行いまずはどれくらいの人気があるかを見るという形です。ある時、ここを逆転させ電子版のみに販売を絞り1冊10円もしくは1円、コストから考えて紙を擦り続けるよりもその方が将来的にみて利益率は上がると思います。今まで制作費にあてがわれていた物は、最初は大体的な広告展開費用に回すと良いのでないかと思います。

その後、出来ることで紙verにブランド力を持たせるがありますが次回の記事にしたいと思います。出版漫画業界を助けるヒントにこの記事がなったのでしたら幸いです。

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PROFILE

桜井 悠太

桜井悠太

アニメゲーム漫画業界発展 桜井悠太 岐阜県出身。町田市育ち。2014年からビ・ハイア株式会社に所属。アニメゲーム漫画業界の企業様同士をビ・ハイアが10年間に渡り培ってきた4000社のネットワークを活かしマッチング、相談・営業コンサル、アニメゲーム漫画業界の求人専門サイト「ラクジョブ」の運営と各社様の求人のお手伝い。クライアント企業は年商約200億円以上の大企業から数億円の中小企業まで幅広く。趣味は、アニソンとクラシックがメインの音楽鑑賞、1ヶ月100冊ほどの読書。今日も業界発展。